梅のこと

この季節になると梅を見たくなる。正確には梅の香りを味わいたくなる。

風に乗るほのかな香りはもちろん好きなのだが、花弁に顔を寄せたときに広がる繊細かつ芯が通った優美な香りは、雑なことや俗なことすべてから赦してくれるような、そんな気がする。確か桂米朝師匠の何かの話のマクラで、梅は香りを楽しむもの、桜は見た目を楽しむもの、と言っていたような記憶があるが、まさにその通りだと思う(「質屋蔵」の気もするが、天神さんが出てこられるだけなので違う気もする。)。

 

蝋梅の甘美な香りもほぼ毎年楽しんでいるが、白梅はかならず毎年見に行っている。さて、今年はどこへ行こうかしら。

2014年2月、大雪直後の円覚寺

谷保天満宮の白梅

耶馬渓・一目八景の梅

富貴寺の菜の花と梅



 

下津井祇園神社の梅

 

はじめまして!(武蔵御嶽神社のすゝめ)

 初めまして。ずいぶん前からブログを始めようと思っていたのですが、ようやくの初投稿です。思い付いたことや趣味である文化財めぐりやスケッチ、写真の話など書き散らそうか考えています。どうかよろしくお願いいたします。

 

 初回ということで、武蔵御嶽神社について書いてみます。何度かお参りさせていただいており、山上の幽玄さが都内とは思えないほど感動的なので、自己紹介を兼ねてぜひご紹介したいのです。

 

 JR青梅線御嶽駅から西東京バスに乗り、15分ほどの乗車の後ケーブルに乗り継ぎ、山上の御岳山駅から25分ほど歩くと、武蔵御嶽神社の拝殿前に至ります。この間、杉林の間の石畳を抜けると宿坊が数多くあります。茅葺きの趣ある宿坊も点在しており、一度は泊まってみたいなあと思っているのですが、実現できていません。

 

 いくつかの登山ルートがあり、登山の人が多いですが、私は山道には入らないのでいつも平場と同じ軽装備です(一応動きやすく、余裕のある服装ではありますが)。

 

 

ケーブルの駅からほど近い杉林

 

 

山上の宿坊群

 神社は標高900mほどの山上にあり、初めてお参りしたときは雲の沸き立つ場面を目の当たりにして驚きました。杉林の写真は初めて訪れたときのもので、JR御嶽駅のあたりでは曇りだったのですが、山上はさながら雲の中、といった雰囲気でした。この雰囲気に魅了され、折々にお参りしています。

 下の写真のとき(2022年10月)は、麓では雨だったのですが、山上では雲が沸き立ちつつ青空がのぞき、非常に幻想的でした。

 

 御嶽山の中でも、馬場家御師住宅という、都の指定文化財の宿坊があります。茶処もされており、一度お邪魔したいのですが、一人ではやや敷居が高くいつも表から眺めています。

馬場家御師住宅

茅葺の宿坊と遠景

 宿坊群と土産物店を抜けると、随神門があり、その先が狭義の境内といったところです。奉献された玉垣が両脇に並ぶ石段の連続です。香川県琴平のこんぴらさんを思い出します。

 

斜光の中の境内

 写真は2022年10月にお参りしたときのもの。雲が切れたとき石段に光がさしこみ、慌てて撮影しました。

 この写真の奥の石段を曲がると、拝殿手前の石段になります。右側に宝物殿があり、2点の国宝の鎧を中心に、奉納された武具が多く展示されており、見どころの多い施設です。受付で音声タブレットが借りられるのですが、多言語対応なので、海外の知り合いを案内しても専門用語の訳出に難儀することなく十分楽しんでもらえるだろうな、と思います。

 

拝殿の唐破風を見上げる

 

旧本殿の屋根

 現在の本殿の裏に、摂末社と並んで旧本殿が鎮座されています。初めてお参りしたときには、写真の通りうっすら霧に包まれていました(肉眼ではもっと白かったように思います)。

 

 御嶽には川合玉堂美術館や多摩川の御嶽渓谷も!ちなみに、御嶽訪問時のお昼にはJR御嶽駅前の中華・東峯園さんがおすすめです。

 

 青梅線沿いの記事は今後も増やしたいなあとおもいます。

 

 

 マイペースに更新していけたらと思います。よろしくお願いいたします。